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AWS SAP-C02(ソリューションアーキテクト プロフェッショナル)に、私は落ちました。652点。合格ラインは750点なので、98点足りませんでした。このブログではSAAに一度落ちた話もSOAに落ちた話も書いてきたので、これで「落ちた記録」は3枚目です。
正直に言えば、書くのは気が重い。それでも書くのは、SAPの不合格体験記が検索してもほとんど出てこないからです。合格体験記だけを読んで挑むと、「どのくらいの準備で、どんな落ち方をするのか」の相場観がないまま本番に入ることになります。本記事は、約2か月かけて全分野に学習を投下したうえで652点だったという一次データと、落ちても手元に残ったものの記録です。
1. 結果公開:652点。「コンピテンシーを満たしている」がゼロ
まず結果をそのまま出します。AWSの試験のスコアは全体で1つ(私は652点)で、合否もこの総合点で決まります。そのうえでスコアレポートには、分野ごとに「コンピテンシーを満たしている」か「改善が必要」かのフィードバックが付きます。私のSAP-C02はこうでした。
- 第1分野 複雑な組織に対応するソリューションの設計(26%) … ❌ 改善が必要
- 第2分野 新しいソリューションのための設計(29%) … ❌ 改善が必要
- 第3分野 既存のソリューションの継続的な改善(25%) … ❌ 改善が必要
- 第4分野 ワークロードの移行とモダナイゼーションの加速(20%) … ❌ 改善が必要
4分野すべて「改善が必要」。「満たしている」はゼロです。なお、レポート自身に「セクションレベルの結果は合計スコアより信頼性が低い」という免責が書かれているので、この分野別評価は傾向として読むのが正しい姿勢です。それを踏まえても、「ゼロ」という並びから読み取れることはあります。次の章で書きます。

2. Associateとは負け方が違う:「特定の穴」ではなく「全域があと一段」
私はこれまでのAWS受験で、不合格のスコアレポートを2枚持っています(実スコアの全記録はこちら)。並べると、負け方の質がはっきり違いました。
- SAA-C03(698点・-22点):「満たしている」1分野。弱点分野を名指しできる負け方で、実際に14日後の再受験で743点に届いた
- SOA-C03(609点・-111点):「満たしている」1分野。学習期間2週間の明白なカバレッジ不足
- SAP-C02(652点・-98点):「満たしている」ゼロ。どこか1つを直せば届く、という構造ではない
しかも思い出してほしいのですが、私はSAAに合格した回ですら、最大配点の分野が「改善が必要」のままでした。つまりAssociateは「弱点を1つ残しても、他で押し切れば届く」ことがある試験です。SAPの負け方はその逆で、飛び抜けた弱点分野がない代わりに、全分野が合格水準に一段ずつ足りない。「あと少し」ではなく「全域があと一段」——これがProfessionalの壁の正体だと、652点のレポートを見て理解しました。
3. 準備不足ではなかった。それでも届かなかった
SOAに落ちたときの敗因は明快でした。学習期間2週間で、出題範囲を回りきれなかった。投下量の不足です。
今回は違います。約2か月かけて、出題4分野すべてに順番に学習を投下しました。ネットワーク、マルチアカウント、移行、新規設計、既存改善——この連載(SAP挑戦記)で書いてきたとおりです。学習開始時の自己診断では正答率が2割台、1か月後の市販模試でも33.3%。そこから本番までに652点(スケーリングスコアなので単純比較はできませんが)まで積み上げたので、伸びてはいたのです。それでも届かなかった。
敗因を一言にすると、足りなかったのは量ではなく深さです。SAPの選択肢はどれも「それらしく」できていて、正解と不正解の差は1〜2箇所しかありません。サービス名を知っている、機能を説明できる、というレベルの知識では、この差を斬れない。「この構成で運用したら何が起きるか」まで踏み込んだ理解があって、初めて選択肢の差が意味を持ちます。全分野を一周して「知っている」状態にはなった。しかしその深さが、全域で一段足りなかった——4分野すべて「改善が必要」という並びは、そう読むのが一番正確だと思います。
4. それでも残った資産①:180分と戦える時間配分
落ちても、合否と無関係に手元に残ったものが2つあります。1つ目は時間です。
SAPは75問を180分で解く試験で、1問あたり2.4分。本番2週間前の私の演習実測は1問あたり約3分10秒、75問に換算すると237分——つまり57分足りない計算でした。「知識より先に、時間切れで落ちる」が最大のリスクだったのです。
本番の結果は、約150分で75問を完答し、見直しを一周してなお15分残りでした。2週間で1問あたり1分近く縮んだ計算です。変えたのは読み方で、やったことは3つだけです。
- 問題文を頭から読まない。選択肢を先に見る。SAPの選択肢は長いが、複数の選択肢に共通する部分は正誤を分けない。先に共通部分を消すと、照合すべき差分が1〜2行に絞れる
- 問い文の「最上級」と程度語に丸をつける。「最もコスト効率よく」「ダウンタイムを最小に」——この1語が選択肢を斬る軸になる。軸は考えて作るのではなく、問題文から探して拾う
- 迷ったら、書き出しが同じ2つの選択肢を並べて差分だけ読む。作問の性質上、正解は「よく似た2択」の中にいることが多い
この読み方は再受験でそのまま使えますし、Associate試験でも効くはずです。「SAPは時間が足りない」と感じている人は、知識を足す前に読み方を変える余地があります。
5. 資産②:落ちた直後に「次に何を受けるか」を決める基準
AWS認定は不合格の14日後から再受験できます。私の場合は9月頭から再受験可能。しかし、すぐには受け直さないことに決めました。理由は2つあります。
1つ目は、負け方が「全域があと一段」だったからです。SAAのときは弱点分野を名指しできたから14日で埋まりました。今回は全分野を一段深くする必要があり、それは14日でできる作業ではありません。
2つ目のほうが大事で、SAPの学習は、私が609点で落としたままのSOA-C03の弱点を、そのままカバーしていたのです。SOAで「改善が必要」だったのはモニタリング・信頼性・セキュリティ・ネットワークの4分野。一方この2か月でSAPのために積んだのは、可観測性、DR、マルチアカウントのセキュリティ、ネットワーク設計——ほぼ同じ地図です。だったら、この学習資産が温かいうちに先にSOAを回収し、SAPは学習期間を確保して秋にもう一度挑む。秋にSOA再受験(今度は学習期間をしっかり確保します。2週間で挑んだ失敗は繰り返さない)、その後にSAPへ再挑戦——これが落ちた夜に決めた順序です。
落ちた直後は「すぐ受け直して取り返したい」気持ちが先に立ちます。でも、点差と負け方を見てから次を決めるほうが、結果的に速い。これはSAAの最短再受験(勝ち)とSOAの見送り(判断保留のまま離脱)の両方を経験して、ようやく言語化できた基準です。
この基準(−30点以内/−30〜−100点/−100点超の3帯で次を決める)は、SAA・SOA・SAPの3回分をまとめてAWS認定の不合格通知が届いたら|再受験は14日後から。「受け直すか」の判断基準として独立した記事にしました。落ちた直後はそちらが早いです。
まとめ:不合格の記録は、3枚目でも書く価値がある
AWS SAP-C02、652点で不合格。4分野すべて「改善が必要」。約2か月の学習では、Professionalの「全域があと一段」に届きませんでした。それでも、180分と戦える時間配分と、次の一手を決める基準は手元に残りました。SAP挑戦記は再受験まで続きます。合格した日に、この記事の続きを書きます。
資格の合否はキャリアの通過点でしかありません。私がそもそもなぜオンプレ出身でAWS資格を積んでいるのかは、オンプレからクラウドへ転職した体験記に書きました。落ちても止まらなければ、ちゃんと前に進みます。一緒に「シフト」していきましょう。