AWS DVA-C02(デベロッパーアソシエイト)に、752点で合格しました。合格ラインは720点、受験は1回。いわゆる一発合格です。
ただ、このブログを読んでくださっている方はご存じの通り、私はSAAに一度落ち、SOA(CloudOps)にも落ちています。DVAだけがなぜ一発で通ったのか。合格体験記は結果だけ見ると「順調に仕上げて受かった」ように見えますが、私の手元の学習記録に残っているのは、本番1週間前に模擬問題が6/10(60%)、その直後の弱点ドリルが1/4(25%)まで落ちたという数字です。
この記事は、その記録をそのまま出します。「どのくらい仕上がっていない状態で、それでも合格ラインを越えられるのか」の相場観として使ってください。
1. 前提:開発が本業ではないインフラエンジニアが、開発者試験を受けた
私は前職までオンプレ環境でシステム開発をしていたSEで、転職して現在はAWSインフラエンジニアとして構築・運用を仕事にしています。いまの本業はインフラで、コードを書く開発ではありません。DVAは名前の通り「デベロッパー(開発者)」向けの試験なので、受ける前は正直、畑違いの不安がありました。
保有資格はこの時点でCLFとSAA。SAAの知識との重なりはかなりあります。ただしDVAで問われるのはLambda・API Gateway・DynamoDB・SQS・CodeシリーズといったサーバレスとCI/CD周りの「開発者が日常的に触る細部」で、SAAの「構成を選ぶ」目線とは問われ方が違いました。インフラ屋にとってのDVAの難易度は、ここに尽きます。知らないサービスはほぼ出ない。でも、知っているサービスの「開発者側の細部」を問われる。
2. 学習記録:開始から受験まで2週間
学習を始めたのが2026年4月1日、受験が4月14日。ちょうど2週間です。進め方は、試験範囲を分野別に分けてノートを作り、分野ごとに確認問題を解いて弱点を潰す、というシンプルな反復でした。暗記用にAnkiカードを作り、最終的に累計209枚になりました。
最初の確認問題(Lambda/API Gateway・DynamoDB・SQS/SNS/Kinesis)の結果は15問中7問正解、正答率47%。半分を割るところからのスタートです。
なお、勉強時間の合計は正確な記録を残していないので書きません。スコアや日付のように証拠が残っている数字と、記憶頼みの数字を同じ顔で並べたくないからです。
3. 本番1週間前:模擬6/10、直後のドリルで25%
4月7日、本番想定の模擬問題10問を解いて6/10(60%)。合格ラインを72%前後と見積もっていたので、明確に未達です。
そこで間違えた4問だけを狙った弱点ドリルを組んだのですが、結果はさらに悪くなりました。1回目が4問中1問正解(25%)、2回目が3問中1問正解(33%)。本番まで残り1週間で、数字だけ見れば仕上がるどころか崩れています。
それでも私がパニックにならずに済んだのは、間違いの中身を記録していたからです。数字は落ちていても、間違いの「種類」は狭まっていました。
4. 何を間違え続けたか:敗因は「知らない」ではなく「似たものの取り違え」
私の誤答記録から、複数回間違えた問題をそのまま並べます。
- DynamoDB Streamsのビュータイプ:「変更前後を比較」ならNEW_AND_OLD_IMAGES一択なのに、NEW_IMAGEやKEYS_ONLYを選ぶ。集中ドリルを組んで2周目でも5問中2問(40%)。3周目でようやく5/5
- CloudFormationの変更セット vs ドリフト検出:「更新前のプレビュー(未来)」と「手動変更の乖離検出(過去)」の取り違えで2回ミス
- CloudFront Functions vs Lambda@Edge:コスト効率・1ms以内ならCloudFront Functionsなのに、実行時間の条件を見落として2回ミス
- DynamoDBのRCU/WCU計算:計算の型は合っているのに、「トランザクション=2倍」の倍率を問題文から拾い損ねる
- Kinesisの複数コンシューマー:Standardは帯域を全コンシューマーで共有、独立スループットが要件ならEnhanced Fan-Out。シャード増加で対応できると誤答
並べてみると分かる通り、「知らないから解けない」問題はほぼありません。全部「似た二つの選択肢のどちらかを、条件から確実に選び切れない」問題です。DVAはこのタイプの出題が多い試験だと思います。だから対策も「新しく覚える」ではなく「判定のキーワードを固定する」に寄せました。
- 「比較・差分・変化」と来たら → NEW_AND_OLD_IMAGES
- 「更新前に確認・プレビュー」→ 変更セット/「手動変更・乖離」→ ドリフト検出
- 「複数コンシューマー・独立したスループット」→ Enhanced Fan-Out
- RCU/WCUは3ステップの公式に固定し、整合性の倍率は語呂で暗記(結果整合性は半分・強整合性はそのまま・トランザクションは倍)
模擬の点数が60%でも慌てなかったのは、誤答の一覧がこのように「有限のリスト」に見えていたからです。逆に言えば、誤答を記録していなかったら、60%という数字は「全体的に足りない」としか読めず、残り1週間で何をすべきか決められなかったはずです。
5. 正直に書くと:最後の1週間の記録は残っていない
ここまで具体的な数字を書いてきましたが、白状すると、模擬と弱点ドリルを解いた4月7日から受験日の4月14日までの学習ログは残っていません。おそらく上記の誤答リストの反復とAnkiの周回をしていたはずですが、「はず」でしかないので、この期間について具体的な勉強法を語るのはやめておきます。
確実に言えるのは、記録がある期間の実測が「初回47% → 模擬60% → ドリル25%」という決して綺麗ではない推移で、その1週間後の本番が752点だったという事実だけです。模擬で60%を切っていても、間違いの種類が絞れているなら、諦める数字ではありません。
6. ただし:この一発合格は「方法が正しかった証明」ではなかった
DVAに752点で受かった私は、正直「2週間の詰め込みで行ける」という成功体験を持ちました。そしてその2週間後、同じやり方でSOA-C03を受けて、609点で落ちました。顛末はSOAに落ちた話に書いた通りです。
いま振り返ると、DVAの一発合格には固有の追い風がありました。SAAで土台ができていたこと、出題が「取り違えの判定」型で短期の反復が効くこと。SOAは範囲の性質が違い、同じ2週間では覆い切れませんでした。一度の合格は、方法の正しさの証明ではなく、その試験との相性込みの結果です。DVAの後に別の試験を控えている方は、私の失敗も込みで距離感を測ってもらえたらと思います。3資格分の実スコア(752/743/609)の比較は実スコアの全記録にまとめています。
7. まとめ:インフラ屋がDVAを受けるなら
- 知らないサービスはほぼ出ない。問われるのは「知っているサービスの開発者側の細部」
- 失点は「似たもの二択の取り違え」に集中する。誤答の記録を取り、判定キーワードを固定するのが最短
- 模擬60%は諦める数字ではない。ただしそれは誤答が「有限のリスト」に見えている場合に限る
- 一発合格しても、その方法を次の試験にそのまま持ち込むのは危ない(私はSOAで落ちて学びました)
資格の合否はキャリアの通過点でしかありません。私がオンプレのSEからAWSインフラエンジニアに転職したときは、資格より先に動いた口です。その経緯はオンプレSEがAWSインフラへ転職した実録に書いています。資格学習の先にキャリアの変化を見据えている方は、そちらもどうぞ。