クラウド転職

43歳オンプレSEがAWSインフラへ転職した実録|6週間・100社応募・エージェント1社

「オンプレしかやってこなかった自分が、今からクラウドに移れるのか」——40代でそう考えている人に向けて、私の実際の記録を全部出します。

私は43歳のとき、金融系のシステム開発をやっていたSEから、AWS特化のインフラエンジニアに転職しました。2024年9月に動き出して、決まったのが10月11日。6週間です。応募したのは100社以上、面接したのは約30社、内定は3社でした。

そして、年収は横ばいです。ただしこれは「上がらなかった」のではありません。上がるオファーもありましたが、私が年収を選ばなかった——その話も含めて、正直に書きます。

1. 43歳・金融系SEが、クラウドに移りたかった理由

前職は、金融系のシステム開発です。安定していました。世間的にも、悪くない立ち位置だったと思います。

ただ、ずっと引っかかっていたことがありました。このままだと、世の中で当たり前になりつつあるクラウドに、いつまでも触れられない。

金融系のシステムは堅い世界です。堅いということは、新しいものが入ってくるのが遅いということでもあります。オンプレの環境で回っているシステムを守り続けるのは、価値のある仕事です。でも私は、その先で自分が何を持っている人間になるのかが、だんだん想像できなくなっていました。

43歳。動くなら、もう時間はそんなに残っていない。そう思ったのが、きっかけです。

2. 6週間の実録:9月に動き出して、10月11日に決めた

時系列はこうです。

  • 2024年9月… 転職エージェントに登録。面談を受ける
  • 9月25日… 最初の面接
  • 10月11日… 内定を受け、この日に決断
  • 2025年1月… 入社

登録から決断まで、約6週間。面接を始めてからだと、たった2週間半です。

正直に言うと、自分でもこのスピードは想定していませんでした。「40代の転職は時間がかかる」と聞いていたし、覚悟もしていた。実際は、始めてみたら6週間で終わっていました。

3. 100社出したら、書類は8割通った

私の進め方は単純です。希望に合う求人に、片っ端から書類を出しました。応募したのは100社以上です。

そして、ここが自分でも一番驚いたところなのですが——書類は8割ほど通りました。(この比率は記録に残っておらず、私の記憶です。正確な数字ではありません)

43歳です。オンプレしかやっていません。クラウドの実務経験もゼロ。それでも、出した書類の大半が通りました。

この時点で、私が漠然と抱いていた「40代のオンプレ出身は市場価値が低いのでは」という不安は、事実によって否定されていました。IT業界の人手不足は、統計で読むものではなく、自分の書類の通過率として体感するものでした。

4. 面接は約30社で打ち切った。受けきる前に決まったから

書類が通りすぎた結果、何が起きたか。面接が捌けなくなりました。

当時のカレンダーを見返すと、9月25日から10月11日までの約2週間半で、面接の予定が30件近く並んでいます。

ピークは、決断した10月11日でした。10時・11時・13時・16時・18時に面接、15時にオファー面接。1日で6件です。そのあと19時からエージェントと打ち合わせが入っていました。朝10時から夜7時まで、ぶっ通しです。

本業をやりながらは、当然無理です。有給を取って対応しました。

面白いのは、その10月11日の動き方です。15時にオファー面接を受けた後も、私は16時と18時の面接に行っています。決めるつもりで受けたわけではなく、単に予定が埋まっていたからです。そして、その日の終わりに決断しました。

そして——私は、書類が通った会社の面接を、受けきっていません。

まだ書類選考を通過したまま順番待ちの会社がある状態で、10月11日に内定が出て、そこに決めたからです。残りは全部、受けずに終わりました。

これが、私が体験した転職市場の実像です。選択肢が多すぎて、全部を見ることができなかった。「もっと良い会社があったかもしれない」という思いがゼロかと言われれば、嘘になります。でも、あの物量を全部捌くのは物理的に不可能でした。

5. 年収は横ばい。上がるオファーを、断ったからです

ここは、正確に書きます。

私の年収は、転職して横ばいです。上がっていません。

ただし、年収が上がるオファーは、ありました。内定は3社。その中には、今より条件の良いものもありました。

私はそれを選びませんでした。

理由は、転職の目的がそこになかったからです。私が欲しかったのはクラウドに触れられる環境であって、目先の年収ではありませんでした。43歳で動く以上、ここで手に入れるべきはスキルであって、数十万円ではない——そう判断しました。

だから、私の「年収横ばい」を「オンプレ出身は評価されない」という意味に読まないでください。市場は、ちゃんと値段を付けてきました。値段のほうを取らなかったのは私です。

これから動く人に言えるのは、年収とスキル環境は、しばしばトレードオフとして目の前に並ぶということです。両方を最大化できる人もいるでしょう。私はできませんでした。だから選びました。どちらを選ぶかを、面接が始まる前に決めておくべきです。オファーを見てから考えると、たぶん高いほうに引っ張られます。

6. エージェントは、リクルート1社で足りた

私が使ったのは、リクルートエージェントです。1社だけです。(同じグループのRGFエージェントにも登録し、面談と面接対策をしてもらいました)

IT特化型のエージェント(レバテック等)も有名ですし、「複数登録して比較すべき」という話もよく見ます。私の場合は、リクルート1社で案件量が十分すぎました。正直、多すぎて困ったくらいです。

希望条件を伝えると、合致する求人をAIが自動で次々に送ってくる仕組みだそうで、系列グループや大手企業の案件も大量に流れてきました。100社以上に応募できたのは、そもそも100社以上の候補が送られてきたからです。

一点だけ、注意を書いておきます。大手の提案が次々に届くと、「自分はもっと行けるのでは」と勘違いしそうになります。提案が来ることと、内定が出ることは別です。そこは冷静に受け止めたほうがいい。

複数登録を否定はしません。ただ、「まず1社登録して、案件を眺めてみる」だけでも、見える世界は変わります。私の6週間は、そこから始まりました。

7. 面接で問われたのは、資格ではなく「人」と「キャリア」

30社近く面接を受けて、聞かれたことは驚くほど普通でした。

  • ありきたりな定番質問
  • 人柄・コミュニケーションに関すること
  • 入社してから、どうキャリアを築いていきたいか

技術的な詰め問答をされた記憶は、ほとんどありません。

そして、この転職に、AWSの資格は1つも関係していません。私がSAAを取ったのは転職した後です。転職活動をしていた時点で、私はAWSの資格を何も持っていませんでした。

「クラウドに移るには、まず資格を取ってから」と考えている人がいるなら、私の実例は、その順番でなくても移れることを示しています。少なくとも私の場合、書類が8割通ったのは資格のおかげではありませんでした。

8. 転職して、何が変わったか

変わったことは、はっきりしています。

  • 在宅勤務が増えました
  • クラウド環境で、今まで触ってこなかった技術に触れられるようになりました

当初の目的は、果たせました。

ただし、移った先が楽園だったわけではありません。オンプレの感覚が通用せず、実務でしっかり壁にぶつかっています(そのあたりはオンプレ出身がAWSをキャッチアップした記事と、EKSを新規構築して詰まった話に具体的に書きました)。

年収は横ばいのまま、仕事は難しくなった。それでも私は、この選択を後悔していません。43歳で手に入れたかったのは、そういうものだったからです。

9. これから動く人へ

私の6週間から、言えることは4つです。

40代・オンプレ出身でも、書類は通ります。私は100社以上出して8割ほど通りました。動く前の不安の大半は、動いた瞬間に事実で否定されます。

エージェントは1社でも、案件は捌ききれないほど来ます。複数登録して情報を増やすより、まず1社で流れ始めた案件をどう処理するかのほうが、現実的な課題になります。

面接は数で当たる。ただし本業との両立は無理です。私は有給を使いました。1日6件、朝10時から夜7時までという日が実際にあります。そこは覚悟して計画してください。

そして、年収とスキルのどちらを取るかを、先に決めておいてください。私は先に決めていたので、上がるオファーを断れました。決めていなかったら、たぶん数字のほうを選んで、今もクラウドに触れていなかったと思います。

オンプレ経験者がクラウドに挑戦する余地は、確実にあります。市場は、あなたが思っているより、あなたを欲しがっています。

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