クラウド転職

クラウドを一行も書いていない職務経歴書でAWSインフラに転職した|43歳・資格は運転免許だけ

当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

「クラウドの経験がないのに、インフラエンジニアの求人に出しても意味がないのでは」——転職を考えたとき、私も同じことを思っていました。

結論から書きます。私が2024年9月に転職活動で使った職務経歴書には、クラウドの話が実質的に一行も書かれていません。保有資格の欄に書けたのは普通自動車第一種運転免許ひとつだけでした。AWS認定は一つも持っていませんでした。それでも約6週間でAWS特化のインフラエンジニアとして内定をもらい、転職しています。

当時の職務経歴書と応募記録が手元に残っているので、この記事では「実際に何を書いていたのか」を、良く見せる加工をせずに開きます。転職活動の全体の流れは43歳オンプレSEがAWSインフラへ転職した実録にまとめてあるので、本記事は書類の中身だけを扱います。

1. 職務経歴書に書いてあったのは、クラウドではなく業務アプリだった

手元に残っている2024年9月時点の職務経歴書を開くと、そこに並んでいるのは業務アプリケーションの開発案件ばかりです。VB.NETとJavaで作り、データベースはOracleやSQL Server、動かす先はWindowsのサーバー、夜間バッチの運用にJP1。手がけてきたのは保険の書類ワークフロー、銀行のリスク管理基盤、証券の電子交付といった、金融系の業務システムでした。

ネットワーク設計もサーバ構築も出てきません。クラウドにいたってはなおさらです。20件以上の案件を書き並べた中で、クラウドらしい単語が顔を出すのはAzureが1案件だけ。それも主役ではありませんでした。

つまり私は、「オンプレの経験をクラウド向けにうまく翻訳して書いた」わけではありません。業務アプリ開発SEの職務経歴書を、ほぼそのまま出しています。ここは正直に書いておきたいところで、転職ノウハウとしてよく言われる「経験を応募先の言葉に置き換えよう」を、私は実践できていませんでした。

2. 保有資格の欄は、運転免許だけだった

職務経歴書の【保有資格】に書いてあったのは、次の一行だけです。

  • 普通自動車第一種運転免許

基本情報技術者も応用情報技術者も持っていませんでした。AWS認定にいたっては、SAAを取ったのは転職した後です。資格が転職を後押ししたという事実は、私の場合ありません。

「まず資格を取ってから動こう」と考えて止まっている人は多いと思います。私は資格ゼロの状態で動いてしまったわけですが、少なくとも資格が無いことは、書類を出す理由を失わせるほどの決定打ではなかったというのが実感です。資格を取ってからの方が有利なのは間違いありませんが、それは「動かない理由」にはならない、という程度の話だと思っています。

資格そのものの話はAWS SAAに698点で落ちて、14日後に743点で合格した話に書きました。

3. 記録に残っている数字(と、残っていない数字)

当時つけていた応募企業の一覧が残っていました。数えると、こうなります。

  • 応募として記録していた件数:111件
  • そのうち、エージェントの担当者から紹介された求人:58件
  • 自分で見つけて出した求人:53件
  • 面接の日程が入っていた件数:36件
  • 適性検査を受けた件数:18件

ここで但し書きを入れます。書類選考の通過数そのものは記録していません。面接36件という数字も、内定が出た時点で活動を止めたため、日程が入ったまま受けずに終えたもの、こちらから辞退したものが含まれます。したがって「書類通過率は何パーセントでした」と言える正確なデータを、私は持っていません。

言えるのは、クラウドの記載がなく、資格欄が運転免許だけの職務経歴書でも、面接の場には確実に届いていたということです。書類の時点で門前払いが続いて何も起きない、という状態にはなりませんでした。

4. では、何が評価されたのか

ここからは記録ではなく、面接で聞かれたことからの私の解釈です。

結局のところ、私が書類で差し出せたのは技術そのものではありませんでした。要件を聞くところから動くものを引き渡すところまで、一通り自分の手で通した経験があること。数名から十名弱のチームで、まとめる側に立ってきたこと。そして金融という、止まると困る種類のシステムを長く相手にしてきたこと。書けたのはこのあたりです。

面接で問われたのも、技術をどこまで深く知っているかより「どういう立場で、誰と、どう進めてきたか」でした。インフラの求人であっても、設計から運用までの流れを知っていて、人を含めて進行させられる人は必要とされている。少なくとも私が受けた範囲では、そういう手応えでした。

逆に言えば、クラウドの知識を評価されて入ったわけではないので、入社してからが本番でした。実際に現場で何につまずいたかはオンプレ出身がAWSをキャッチアップした話に書いています。

5. いま読み返して、直すべきだと思うところ

当時の職務経歴書を今の目で読み返すと、自己PRが弱いと感じます。「10年以上の経験があり」「品質を意識して」「チームの生産性を高める環境づくり」——間違ったことは書いていませんが、これは誰にでも書ける文章です。私という個人がどこにも出ていません。

もし今からもう一度書くなら、次のように直します。

  • 「金融業界の業務知識」ではなく、どの業務のどんな要件で苦労し、どう解いたかを1件だけ具体的に書く
  • 応募先がクラウドなら、なぜ今クラウドに行きたいのかを自分の言葉で1段落だけ足す(当時は書いていませんでした)
  • 案件一覧は全件残したまま、応募先に関係する数件だけ担当業務を厚く書き、残りは1行に圧縮する(案件を削って経歴に空白を作るのは逆効果なので、消すのではなく濃淡をつける)

なお、書類はエージェントの担当者にきちんと見てもらっています。受けた指摘は表記のゆれや経歴の整合性といった点が中心で、中身を根本から書き換えるような直しは入りませんでした。これは見てもらえなかったということではなく、そこは指摘が必要なかったのだと受け取っています。自分では気づけない表記の不統一や日付のずれは、第三者に一度通してもらわないと見つかりません。ここは素直に、見てもらってよかったところです。

そのうえで、上に挙げた自己PRの弱さは私自身が向き合うべきところでした。何を書くかは最後は自分の中身の話で、そこは他人には代われません。

6. これから出す人へ

私の記録から言えることは、そう多くありません。それでも3つだけ挙げます。

  • クラウド未経験でも、書類は出す価値がある。私の職務経歴書にはクラウドの記載がほぼなく、資格も運転免許だけでしたが、面接には届きました
  • 資格を待ってから動く必要はない。私はAWS認定を1つも持たずに動き、SAAは転職後に取りました
  • 私は111件出しましたが、これは勧めません。単純に、とてもしんどかったからです。しかも当時つけていたのはメモ程度の一覧で、そのうち何社が書類を通ったのかも残っていません。数を出せば当たるという話ではなく、私にはそういう進め方しかできなかった、という記録として読んでください

そして、これは自分への反省でもありますが、記録は残しておいた方がいいです。私は応募先の一覧こそ残していましたが、書類が通ったかどうかまでは記録していませんでした。そのせいで、今こうして振り返っても「通過率は何割でした」と言えません。転職活動中の自分は忙しくてそれどころではありませんでしたが、後から効いてきます。

転職活動全体の流れ、6週間で決めた経緯、年収が横ばいになった理由については43歳オンプレSEがAWSインフラへ転職した実録にまとめています。

-クラウド転職