「AWS SAA(アソシエイト)に受かったから、次はプロフェッショナル(SAP)へ」——そう決めて挑戦を始めた私は、いきなり出鼻をくじかれました。試しに過去問・サンプル問題を見てみたら、その難しさに圧倒されてしまったのです。
正直に言います。この記事を書いている時点で、私はまだSAPに合格していません。それどころか、本格的な勉強もこれからです。今いるのは「敵の手強さを知って、攻略プランを立てた」スタート地点です。
でも、だからこそ書けることがあります。「SAA持ちがSAPに挑むと、最初に何に圧倒されるのか」「そこからどう攻略を組み立てるのか」——合格自慢ではない、これから挑む人と同じ目線の、リアルタイムの記録です。
実際にやってみた結果は、このページに追記していきます。
1. なぜ、SAAの次にSAPを選んだのか
私がSAPに挑戦する理由は3つです。
- クラウドの設計力をもっと深めたい——アソシエイトの一歩先へ
- SAAに受かった流れで、自然な次のステップとして
- 業務で、より高度な知識が求められる場面が増えてきた
特に大きいのは「業務で必要」という実感です。現場でアーキテクチャの判断を求められるほど、SAAの知識だけでは足りないと感じる場面が出てきました。その穴を埋めたい——それがSAPを選んだ一番の動機です。
2. SAA持ちでも、SAPは「全方位的に」難しい
正直、SAAの感覚で過去問に臨んで、面食らいました。SAPは難しさの「種類」が違います。私が見て実感した壁は4つです。
- 問題文がとにかく長い。一問あたりの文章量が多く、読解するだけで疲れます。「何を聞かれているのか」を掴むだけで集中力を持っていかれる。
- 出題範囲が広く、深い。SAAより扱うサービス・設計パターンの幅が格段に広く、しかも一つひとつが深い。
- 実務寄りの複雑なシナリオ。複数アカウント・移行・大規模設計など、現実的で込み入った状況を前提とした問題が多い。
- とにかく量が多く、合格ラインが高い。覚えること・理解することが膨大で、「これで足りるのか」という不安がついて回る。
そして個人的に一番きついと感じたのが、問題文と選択肢の「長さ」と「ひっかけ」です。長い問題文を読み解いた先に、選択肢までどれも長い。しかも技術的にはどれも「できそう」に見えて、その中から要件に最も合う一つを選ばせる——明確なひっかけが仕込まれています。
SAAが「地図と共通言語」を得る試験だとすれば、SAPは「その地図を使って、複雑な現実をどう設計するか」を、長文とひっかけの中で問われる試験——というのが、過去問を見た今の私の実感です。
3. そこで立てた、SAPの攻略プラン
圧倒されたままでは前に進めないので、攻略プランを立てました。これから、この方針で挑みます。
使う教材(演習+公式を中心に)
SAPは書籍が少なく、演習(アウトプット)と公式資料が中心になります。私が候補として選んだのは次のラインナップです。
- AWS公式 Skill Builder(SAP Exam Prep)+ 公式模擬試験……出題傾向を公式で掴む
- Udemyの SAP-C02 模擬試験問題集……本番形式で大量に演習する(SAPは演習量が命)
- AWS WEB問題集(CloudLicense 等)……隙間時間の反復演習に
- AWS Black Belt/ホワイトペーパー……範囲が広く深いので、サービス別の公式資料で穴を埋める
(実際に使った感想は、進めながらこのページに追記していきます)
「長文・ひっかけ・長い選択肢」をどう攻略するか
最大の壁である読解とひっかけには、こう挑むことにしました。
- 設問(最後の問い)を先に読む。「何を聞かれているか」を把握してから本文を読み、読解の迷子を防ぐ。
- 要件キーワードに着目する。「コスト最小」「運用負荷最小」「可用性最高」「最小の変更で」など。正解はこの要件に最も合うもの。技術的に可能でも要件に合わなければ不正解——これがひっかけの正体だと考えています。
- 消去法で削る。要件に反する一語を見つけて、長い選択肢を切っていく。
- とにかく演習量で慣れる。長文への耐性は、模試を繰り返して体に染み込ませるしかない部分が大きい。
4. 学習ログ:まず「ネットワーク領域」から(随時更新)
攻略プランに沿って、まずは出題範囲の中でも実務に直結し、私が一番不安だった「ネットワーク領域」から手をつけました。最初の1週間で痛感したのは——単体では分かっていたつもりの知識が、複数サービスが絡む統合問題になると崩れるということです。特に派手につまずいた3つを、それぞれ独立した記事に深掘りしてまとめました。
- VPCピアリング・Transit Gateway・PrivateLinkの違い……「12VPCで66本」という接続数の定量化が反射で出ず、選択肢を絞れなかった話。3つを「共有の単位」で整理しました。
- Transit Gatewayのassociationとpropagationの違い……単体では区別できるのに、統合問題で混同して減点。「見る/載せる」で二度と取り違えない覚え方。
- ハイブリッドDNSのRAM共有の落とし穴(PHZはRAMで共有できない)……自己診断0点だった最弱項目。「共有=RAM」の反射と否定文の読み飛ばしで誤答した実体験。
3つに共通していた失点は、「知識の穴」ではなく「設問の読解事故」でした。向き・対象・数を、答える前に数える——この1点がW1(1週目)の最大の学びです。そして同じ「読解事故」の癖は、この後に進んだマルチアカウント、そして移行の各領域でも形を変えて現れました(下記)。
5. 学習ログ:マルチアカウント領域(随時更新)
ネットワークの次は、大規模設計の前提になる「マルチアカウント(複数アカウント統制)」領域です。1つのアカウントに何もかも詰め込む発想から抜け出し、「なぜ分けるのか」「どう権限を効かせるのか」でつまずきました。ここも独立した記事に深掘りしています。
- AWSマルチアカウントはなぜ必要か(blast radiusを小さくする)……アカウントを分ける理由は「事故の被害範囲を小さくする」の一語に尽きる。性質ごとにOU(州)で束ねてルールをかける考え方。
- SCPとIAMの違い(二重ゲート)……IAMは「許可証」、SCPは「破れない天井」。両方OKのときだけ操作が通る二重ゲートと、SCPが管理アカウントには効かない罠。
- AssumeRole:信頼ポリシーと許可ポリシーの違い(クロスアカウントの握手)……「誰が入れるか(信頼ポリシー)」と「入って何ができるか(許可ポリシー)」は別物。両側の握手が揃って初めて成立し、社外相手にはExternal IDで取り違え(confused deputy)を防ぐ。
6. 学習ログ:移行(マイグレーション)領域(随時更新)
ネットワークの次に着手したのが、出題比率の大きい「移行(マイグレーション)」領域です。ここは自己診断が最も低かった最弱分野で、サービスの選び分けと公式用語の定着に苦しみました。つまずいた点を、独立した記事に深掘りしてまとめています。
- SnowballとDataSyncの違い(大量データ移送の判断軸)……「回線×容量×期限」で物理輸送かオンライン同期かを即断する。移行に共通する「先に塊→差分で追いつき→切替」の背骨に気づいた回。
- DB移行:DMSとSCTの違い(DB引っ越しの型)……同種はDMS単独/異種はSCT+DMS。「意味は分かるのに公式用語が出てこない」を語源で突破した学習法。
まとめ:これは「挑戦のスタート地点」の記録
正直に言えば、私はまだSAPの入り口に立ったばかりで、合格の保証はどこにもありません。でも、敵の手強さを知り、攻略プランを立てたこの瞬間を、同じようにこれからSAPに挑む人と共有したいと思いました。
この先、実際に勉強を進めて分かったこと・つまずいたこと・合否は、このページに追記していきます。一緒に「シフト」していきましょう。
※そもそもAWS資格の難易度がどれくらい違うのかは、実スコアで比較した記事にまとめました。CLF 740/SAA 698→743/DVA 752/SOA 609——5資格6回ぶんのスコアレポートを全部公開しています。SAPに挑む前に、アソシエイトがどう割れたかを見ておくと目安になるはずです。
※その前段にあたるSAA(アソシエイト)の合格体験記はこちらにまとめています。
※そもそも私がオンプレミス環境からクラウド(AWS)インフラエンジニアへ転職した経緯はこちらにまとめています。